言葉を模索中

自宅でタイトルやコピーを一人で考えていると妻が通りかかる。困っているときはつい聞いてしまう。

自分「おっぱいがいっぱい出る様子を表現する擬態語ないかなぁ」
妻「おっぱいがいっぱい出る!?」

年上の彼女はエロ業界の人間ではないばかりか、逆にまったく興味がない。ただ言葉や表現には敏感である。ドキュメント作品を手がけた時に感想を聞くと、アドバイスや批判をしてくることもあった。

妻「あなたの作品は偽善とは言わないけど、まとまりすぎていてつまらない。もっと破綻していてもいいじゃない」

そのまま見せてしまうとエロとして弱くなるので苦肉の策でまとめ上げたものを一言で喝破する。確かにその方が作品としては良くなるのです。一時期、AVと言いながら女をしっかり描く(見せる)作品を撮っていた頃のことです。人間をあまり正直に描いてしまうとエロにならなくなるのです。

当時の自分は、彼女の指摘した、破綻を恐れない<逆エロ路線>に踏み込む作品を撮ったこともあった。プロデューサーの顔色を窺いながら、こちらでは王道のエロ、こちらでは<逆エロ路線>と。しかしそれは結果として、とても良かったのです。破綻を恐れなくなってから表現の幅が拡がったのです。彼女のいうことは本質的なことだったのです。

さて、そんな妻との会話です。

妻「おっぱいの擬態語なんて、そんなのわからないよ」
自分「例えばピューとかさ」
妻「ポタポタは」
自分「ポタポタじゃ色気がない」
妻「じゃあピューピューピューでいいじゃない」

向こうのテレビが気になっているようで、そのまま行ってしまった。
妻に聞いた自分がいけなかったと反省し、一人また言葉模索の旅に出たのでした。

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  • 掲載画像はリニューアル時に編集者が追加

この記事を書いた人

A.T.のアバター A.T. 監督・プロデューサー

たかつき あきら 1982年中央大学文学部卒
宇宙企画の制作、ピンク映画の監督等を経て、制作会社4D(フォーディー)に入社し風俗情報AV等を制作。その後、共同経営でカンノン・シネマワークスを立ち上げリアルなエロを引き出す淫乱系ドキュメント派監督として知られる様になる。共同経営者が病気で倒れたため、シネマユニット・ガス(通称GAS)を設立。セルビデオ転換期に「爆乳」を主軸とした作品群をリリースし、爆乳系監督の第一人者となる。