汁男

汁男という職業がある。エキストラ男優みたいなもので、顔を出し女優と本番することは多くはない。ギャラは5,000円程度、素人・AVマニアがアルバイトしているケースも多い。「ぶっかけ」が代表的だが、大勢の汁男を一堂に集めて自分でしごいて精子を女優の顔などにぶっかける役回りの男優たちの総称である。

最近、その汁男の重要さをひしひし感じている。なにを今更と言われるかもしれない、汁男なんて今に始まった訳じゃないから。

お客さんが何に感情移入して観ているかを考えると、「気持ち良さ」だと言えます。気持ちよさそうな射精は「絵」としても凄いのである。

応募してきた20代前半の男の子は、パイズリ好きだという。「彼女はいるけど、セックスはあまり好きじゃない。パイズリが好き」と言い切る。パイズリ射精で飛ぶ距離がすごいのだ。一度はカメラマンを飛び越え、ある時は高さ50cmにも達した。見たことのない距離だった。お客さんからしたら、あまりに気持ちよく見えるだろう。彼はウチの専属汁になってもらった。

また別の汁男で、よくブログにもコメントを残してくれる人がいる。ある撮影で目が活き活きしてたのでチャンスをあげた。「これから女優とパイズリしてもらうけど、もしもう一回やれそうだと思ったら、女の子に頼んでごらん、もう一回やりたいって。彼女はきっと断らずにやらせてくれるよ」

撮影で彼は一回目の射精後、女の子に頼み込む。予想通り彼女は二回目を許してくれた。そして射精したばかりだというのに、二回目を射精した。その撮影で女優は二度出し女優として、頼まれたら断りきれない人の良さを印象つけることに成功した。

すごい距離の飛び方だったり、連続二発出しは大変です。すごい絵を撮らせてもらえるのですから、こういう汁男には頭が下がります。この歳になってもいろいろ教わることは多いです。

杏美月の行列のできるパイズリ屋さん

この記事を書いた人

A.T.のアバター A.T. 監督・プロデューサー

たかつき あきら 1982年中央大学文学部卒
宇宙企画の制作、ピンク映画の監督等を経て、制作会社4D(フォーディー)に入社し風俗情報AV等を制作。その後、共同経営でカンノン・シネマワークスを立ち上げリアルなエロを引き出す淫乱系ドキュメント派監督として知られる様になる。共同経営者が病気で倒れたため、シネマユニット・ガス(通称GAS)を設立。セルビデオ転換期に「爆乳」を主軸とした作品群をリリースし、爆乳系監督の第一人者となる。