セックス本

あるところで知り合った40代のミュージシャンの男性。AV監督の私に相談があると連絡してきた。

「実は性に関する相談なんですけど・・・」
EDかなと思ったら。
「よく女の子を失神させちゃうみたいなんです」
「失神!?」
「たぶんそうだと思うんです。叩いても起きないし。寝たようになっちゃうから。自分のが正しいテクニックなのか確認したい」

彼のテクニックは文字で説明しずらいので大雑把に書くが、脚を閉じた女性の上に跨ったまま挿入をし、かき回し続けるというテクニックであった。男性器が子宮を突くのではなく当たり続けるので、痛くなることもないのがいいのでしょう。

確かにいいかもしれないと思った。見かけも若々しい方からセックスを教わることもあるんだなと思った。

その後、そのミュージシャンからまた連絡があった。
「この前の件なんですけど、本にしようかと思ってるんです。よければ協力をお願いできませんか。あの後、いろいろセックスのテクニック本を買ってみたんです。けど中味はひどいの。当たり前のことしか書いてない」
協力は惜しむことはないが、本にするとは・・・
「友人に試してもらったら一週間で○kg痩せたという報告もきてるんです。まだ凡例が一件だけだから、AVでやってみてもらえないでしょうか。痩せる!ということでも興味はもたれるんじゃないかと」
AV監督に褒められて「その気」になったらしい。
「でもその痩せるというのは、そのセックスがではなく、いいセックスをすると痩せるということじゃない?」と言うと、
「それを言っちゃうと結論になっちゃうから、それは先送りにして痩身で売りましょう」
彼のたくましさがうらやましかった。

自分もセックス本を書きたくなった。タイトルは「40代からはじまるセックス」かな。

この記事を書いた人

A.T.のアバター A.T. 監督・プロデューサー

たかつき あきら 1982年中央大学文学部卒
宇宙企画の制作、ピンク映画の監督等を経て、制作会社4D(フォーディー)に入社し風俗情報AV等を制作。その後、共同経営でカンノン・シネマワークスを立ち上げリアルなエロを引き出す淫乱系ドキュメント派監督として知られる様になる。共同経営者が病気で倒れたため、シネマユニット・ガス(通称GAS)を設立。セルビデオ転換期に「爆乳」を主軸とした作品群をリリースし、爆乳系監督の第一人者となる。