女をプロデュースするということ

最近はスカウトした女性を女優に育てる仕事をしています。

いろいろな個性の女の子がいます。なるべくそれぞれの個性を活かすように心掛けています。AV女優としての個性というのは、どうしたら伸び伸びとした演技を引き出せるかという点などです。例えば、自然に近いセックスを撮るにはどの男優とどうしたらいいか、どういう企画がいいか、責め系受け系どちらで作るのがいいか・・。受身形かと思ったら、責め系の女性もいれば、逆のタイプの女性もいます。

志紋ELLEという新人の専属女優がおります。おとなの女性ではありますが、セックスは違っていました。経験が少なかったばかりか、逆にトラウマがあり男嫌いで、セックスが好きではありませんでした。彼女には学歴があり、先生と呼ばれるような仕事もしている女性なので、ここまで自立してこれました。あまりAVに出演するタイプの女性ではありません。

彼女の一本目の撮影はイメージビデオでした。スタイルの良さを知ってほしかったからです。その撮影の前にオナニーを教えました。イメージVの撮影でしたが、快感というものを知ってもらうところから始めたのです。それはなんとか覚えてくれました。ビデオの中で、本気オナニーをするしないのやり取りのシーンがあったのはご存じの通りでしょう。

そのELLEさんでAVの撮影をしました。セックスが苦手な女性でAVを撮るのです。

セックスはオナニーとは違い、他人に気持を委ねます。通常の本番の回数を減らし、彼女の性感を高めることを第一目的としました。どう感じるか、イクことの回路がうまく見つかるか、などをテーマにしたのです。

たいがいの女優さんは演技する余裕がありますが、ELLEさんはそんな余裕がありません。体でぶつかってそれが表現となります。人間なので凸凹(個性)があります。その撮影がELLEさんのAVデビューとなりました。

せっかく一からセックスを教えるのですから、普通では面白くないと思っています。淫乱や変態にまで成長させたいと思っています。(自分が変態好きなのもあります。)ひとつ一つのAV作品がセックスを覚える彼女のドキュメント作品のようになればいいなと考えています。

この記事を書いた人

A.T.のアバター A.T. 監督・プロデューサー

たかつき あきら 1982年中央大学文学部卒
宇宙企画の制作、ピンク映画の監督等を経て、制作会社4D(フォーディー)に入社し風俗情報AV等を制作。その後、共同経営でカンノン・シネマワークスを立ち上げリアルなエロを引き出す淫乱系ドキュメント派監督として知られる様になる。共同経営者が病気で倒れたため、シネマユニット・ガス(通称GAS)を設立。セルビデオ転換期に「爆乳」を主軸とした作品群をリリースし、爆乳系監督の第一人者となる。