病院通い

90歳になる一人暮らしの母が骨折し入院し、一番困ったのが、実家で母と暮らす一匹の猫の世話。実はこの猫、我が家で飼っていたのだけど、猫どうしの折り合いが悪くて、母に無理やり押し付けた経緯があり、ほおっておく訳にいかない。我が家に連れ戻すこともできず毎日実家に世話をしに行くことになりました。

ものすごく臆病な猫で、元飼い主の俺をすっかり忘れて出てきやしない。いつもソファの下に潜り込んで呼びかけにニャーと応じるだけ。実家に行くのは出社する前か出社後。さっさとエサとトイレの世話をして出ていくだけでした。それが一か月くらいで姿を見せるようになり、二か月目で寄って来るようになりました。

そしてまた、我が家の一匹の猫が何も食べなくなり痩せてきて、病院通いが始まりました。腸にポリープがあるらしい。そろそろ寿命なのかもしれません。母親(入院)に続く病院通いです。

ということで、毎日が忙しくなり飲んで帰ることが少なくなりました。疲れてても猫の世話があるので実家に行かなければなりません。正直、面倒です。でも思ったより辛くない。どうしてなんだろうと考えてみました。

一つに、地元ということもあります。これは自転車に限るのですが、懐かしい地域を走っていると飽きません。なんの変哲もない風景でもノスタルジックな気分になります。
二つ目に、それぞれに必要とされているからだと思います。特に一番必要にしてくれてるのが実家の猫。他に世話をしてくれる人は誰もいません。会えるのはわずか一日30〜60分。今では目の前でゴロンとします。お腹を撫でると手を舐めてくれたりします。もう帰るの?みたいな顔でこっちを見ます。猫への愛情も再び出てきました。

でも。この先、このままでいいのかと考えます。
入院中の母親は猫に会うのを一番楽しみにしているので、その楽しみは奪ってはいけないと思いますが、その先です。
もう90歳という年齢もあるし、一人暮らしを続けさせていいのか。施設も考えないといけない。そのとき猫はどうするのか。
普段なにも考えていないので考えないといけないことがたくさんあります。答えなんか出ませんが。

実家の猫です。
どなたか知り合いの方で、もらってくれる人いらっしゃいませんか。
多頭飼いは難しいと思います。なかなか懐きませんが、一度懐くと甘えん坊です。

この記事を書いた人

A.T.のアバター A.T. 監督・プロデューサー

たかつき あきら 1982年中央大学文学部卒
宇宙企画の制作、ピンク映画の監督等を経て、制作会社4D(フォーディー)に入社し風俗情報AV等を制作。その後、共同経営でカンノン・シネマワークスを立ち上げリアルなエロを引き出す淫乱系ドキュメント派監督として知られる様になる。共同経営者が病気で倒れたため、シネマユニット・ガス(通称GAS)を設立。セルビデオ転換期に「爆乳」を主軸とした作品群をリリースし、爆乳系監督の第一人者となる。