ドキュメンタリー映画を観た。捨てられた、また野良の犬猫たちの「行政処分」の日本の現在を描く映画です。以前、TVで観たドキュメンタリー番組(https://gas-web.com/at/293)で紹介されていた動物ボランティアの方々も出演していた。

その映画の中で、捨てられたたくさんの犬をボランティアで養う初老の男性が言う。
「マスコミで取り上げられた当初はいくつもの動物慈善団体がやって来ては、その悲惨さをアピールして寄付を募るが、募金が集まるとすぐいなくなってしまう」
金が集まりそうなところを見つけてはやって来て、金だけ募る。慈善事業を名乗る偽善者が少なくないのだ。
フィリピン・マニラのゴミの山(スモーキーマウンテン)に住むスラムの人々をテーマにドキュメンタリー映画を撮っている日本人がいる。監督のS氏は、25年前に同期のAV監督だった。当時S氏は、仕事のやり口が強引で周囲からは疎んじがられていた。協調性があるのが必ずしもいいとは思わないが、彼のやり方は自分さえ良ければいい独善的だった。いつしか彼はいなくなっていた。
しばらくしてTBS筑紫哲也のニュース番組でS氏の姿を見た。フィリピン・マニラのスモーキーマウンテンに住むスラムの人々をテーマにドキュメンタリー映画を撮っているという報道だった。その映画は観ていないし、慈善事業を名乗る偽善者とは言わない。ただ、彼らしいと思った。行政から、また募金で製作費を募る、そのたくましさに対してである。そのくらい強くならないといけないのかもしれない。
話は野良犬猫たちのドキュメンタリー映画に戻る。その映画はまったく食い足りなかった。
野良の犬猫たちの現状をあまり考えたことがなかった(普通の)人が撮った映画なので、監督が現状を知るだけの映画だった。そんなのは映画にしないで、一人で勝手にやってほしかった。動物愛護を謳うなら、日本の捕鯨船を攻撃するシーシェパードを擁護したり、野生動物を食用にするアフリカの原住民を非難する、物議を醸すくらいの面白さを期待してしまう。
そんなことを思うのは、自分がなんでもありのAVの世界の人間だからなのだろうか。