ポルノってなに?

ロマンポルノとAVの違いって何でしょう?

ご質問のありましたロマンポルノとAVの違いです。
ロマンポルノは撮影所で撮影していた映画です。ロマンポルノとはにっかつという映画会社固有の名称で、独立プロ系のピンク映画とは違います。ただ、後に『Shall We Dance?』を撮ることになる周防監督や、井筒監督もピンク映画出身ですから才能のある人たちを輩出しているポルノ映画界であります。ストーリー性はもちろんあり、ときに芸術性もありました。年末の日本映画ベスト10によく選ばれておりました。上層部からあまり口出しされない自由な空気がポルノというものの中にあったと思うのです。

Shall We ダンス?

一方、AVは個人で楽しむためのメディアですから、余計なものは入れない、というお約束になっています。そのものズバリを見せるのがAVと言ったら良いでしょうか。

一般映画からAVまでを「食」で色分けすると、一般映画がデパートやホテルのレストランだとすると、ポルノ映画は街の食堂や酒場、ロマンポルノは旨い酒を飲ませる鮨屋とかちょっと高級なバー。ピンク映画はガード下の酒場のような男の客しかいないような店。ではAVは? 持ち帰り弁当屋といった感じでしょうか。

ただ日本のAVは特殊です。現在でこそ、余計なものは入れなくなりましたが、レンタル全盛時代はポルノと呼んでいいものか?というものまでありました。(でもGASの周りだけだったかもしれませんが・・・) 主演女優のカラミが最後まで出てこない普通のドキュメンタリーのような作品とか、ホームレスとセックスさせる作品とか、下水道の中で撮影をしたり、自転車40日間の男女の旅行とか・・・・

バブルという時代背景もありましたが、「ポルノ」と一言で括れないサブカルが確かにあったのです。

  • 掲載画像はリニューアル時に編集者が追加

この記事を書いた人

A.T.のアバター A.T. 監督・プロデューサー

たかつき あきら 1982年中央大学文学部卒
宇宙企画の制作、ピンク映画の監督等を経て、制作会社4D(フォーディー)に入社し風俗情報AV等を制作。その後、共同経営でカンノン・シネマワークスを立ち上げリアルなエロを引き出す淫乱系ドキュメント派監督として知られる様になる。共同経営者が病気で倒れたため、シネマユニット・ガス(通称GAS)を設立。セルビデオ転換期に「爆乳」を主軸とした作品群をリリースし、爆乳系監督の第一人者となる。