エロビデオを作ろう

「ミス本番 由美子」という作品を覚えていますか。

AVという名称自体がなかった80年代中盤の宇宙企画の作品です。その頃わたしは宇宙企画でADをしていて、“田所由美子”さんの ヌードイメージを撮らせてもらったりしていました。「あの娘が本番するの!!」という驚きがありました。本番は愛染恭子さんに代表される時代でしたから、あんな若くて可愛い女の子が!という驚きでした。本番にはかなりのタブーがあったのです。もちろん「ミス本番 由美子」は大ヒットしたばかりでなく、エロとしてのAVが認知された記念碑となりました。

それから20年。AVに出る女の子の質は確かに上がってアイドルクラスになりました。それだけエロさも上がったのかというと???・・・ 内容的にはえげつないことをやってくれる女の子がたくさんいて有り難いし、パッケージには表現しやすくなっています。(良い例がブッカケ、これは日本のAVとして海外でも有名になりました) ただそれがエロかというと、エロはエロだけど形式が際だち、女としてのエロは薄いと思います。女性客はエロとしてブッカケにあまり興味をもたないしょう。私が思うにエロとは女から引き出すものです。やはり時代の変化、AVに出て本番することがタブーではなくなったことが大きいと思うのです。そこで考えました。どうしたらAVに出て本番することがタブーと考えている女を撮ることができるか。

先日あるヌードモデルの娘と面接をしました。その娘はAV女優ではありません。AVに出る気もないそうです。ただその娘の持つ“ゆるい雰囲気”が妙にエロいのです。その女の子で沖縄に行きイメージビデオを撮ることにしました。半分口説きながらのドキュメントも交えたイメージビデオです。どこまで撮れるか分かりませんが、タブーの狭間で揺れる女の子はとてもエロだと思うのです。その作品を我がGASレーベル撮り下ろしの一本目にします。

この記事を書いた人

A.T.のアバター A.T. 監督・プロデューサー

たかつき あきら 1982年中央大学文学部卒
宇宙企画の制作、ピンク映画の監督等を経て、制作会社4D(フォーディー)に入社し風俗情報AV等を制作。その後、共同経営でカンノン・シネマワークスを立ち上げリアルなエロを引き出す淫乱系ドキュメント派監督として知られる様になる。共同経営者が病気で倒れたため、シネマユニット・ガス(通称GAS)を設立。セルビデオ転換期に「爆乳」を主軸とした作品群をリリースし、爆乳系監督の第一人者となる。