手帳をさがして・・・

4月始まりの手帳を使っている。毎年3月末になってようやく次の手帳を買いに走る。今年は3月半ばで売り切れている店が続出。なんか毎年、お気に入りの手帳を探して歩いている気がする。

どこにもお気に入りのがなく、新宿をくまなく歩いていた。あるビジネスホテルの前にある一団がいた。おそらくそのホテルに投宿していたと思われる10人以上の団体。5人くらいの中年の男たちと、10名弱の女性。未成年の女の子が多く、どの子もびっくりするくらい可愛い。会話は外国語。どこか東南アジアの言葉だ。その雰囲気から、モデルか歌手の卵を日本に売り込みにきたのだと察した。

自分は、“売れてるから”ということでは行動を起こさない。流行を追いかけるのが好きではない。いつも、直感や好きという気持ちを行動の第一の理念にすることが多い。それは自分のプライドでもある。いま目の前にいる若いアジアの女の子たちは本当に可愛い。自分がここまで思うのだから必ず売れると思った。

水着の写真集やイメージビデオも作れるに違いない。会社の仕事は巨乳系だから直接的には関係ない。しかし、あらたな分野の仕事の開拓とか、仮に自分の会社には関係なかったとしても、次に何かが繋がるかもしれない。

遠巻きからちょっと様子を窺ってから、思い切って声をかけてみることにした。
「すみません。自分はグラビアを制作しているのですが」
日本人の責任者を紹介される。自分の名刺を手渡し、尋ねる。「あまりに可愛い娘たちですがシンガーか、なにかですか?」
聞くとタイの女の子で歌手なのだそうだ。日本で彼女らを売り込むところらしい。

水着の撮影を頼もうとすると、「ダメなんですよ。タイは仏教国なので水着とかダメなんですよね」笑って断られた。水着撮影がダメな国もあったのですね。知りませんでした。お恥ずかしい。

お気に入りの手帳は新宿のはずれ、伊勢丹の文具売り場にあった。品ぞろいの良さはさすが伊勢丹、日本一のデパートといわれるゆえんです。

  • 掲載画像はリニューアル時に編集者が追加

この記事を書いた人

A.T.のアバター A.T. 監督・プロデューサー

たかつき あきら 1982年中央大学文学部卒
宇宙企画の制作、ピンク映画の監督等を経て、制作会社4D(フォーディー)に入社し風俗情報AV等を制作。その後、共同経営でカンノン・シネマワークスを立ち上げリアルなエロを引き出す淫乱系ドキュメント派監督として知られる様になる。共同経営者が病気で倒れたため、シネマユニット・ガス(通称GAS)を設立。セルビデオ転換期に「爆乳」を主軸とした作品群をリリースし、爆乳系監督の第一人者となる。