「被虐のレースクィーン。」

3月20、21日 シネマジック


「ドラマを撮りませんか?」とプロデューサーから電話が入る。「ドラマ?ですか」と思わず聞いてしまう私。ドラマなんて全く興味ないし、それはプロデューサーも知っているはず。

打ち合わせしてその謎が解ける。レースクィーン物をやりたいのだが、今回は毛色を変えたいらしい。実際にレース場に行って女の子をそこに佇ませ本物のレースクィーンに見せてほしいという注文だった。実は私はリアリティーを作るためのゲリラ撮影は大得意であったのだ。例えば白衣を着せたAVギャルを病院まで連れていって本物に混じらせて働いているシーンとしたり、リアリティーにはこだわるんです。ドラマ部分が弱くてもレースクィーンのリアリティーだけで今回は勝負したいとのことで私の起用となったらしい。

が、撮影直前になって女の子本人がレース場に行くスケジュールが合わない。仕方なくレース場のシーンはご破算となる。つまり単にドラマだけで勝負と相成った。おそらくプロデューサーはガッカリだったでしょう。俺はレース場に行かなくて済んだのでホッとしたが。


久しぶりに脚本を書いて臨んだ撮影。その実感は「俺ってほんとドラマに興味がないんだな」ということ。カット割りとか演技付けとかもうどうでもいい。自分の方向性は実際の女の子から「何か」を引き出し、それにドラマ性を付加するドキュメントタイプなので。ドラマ部分は得意なスタッフにお任せして私は早く撮影が終わるように現場監督に徹する。情けなかったですよ、ホント。ドラマぽいところは他人まかせで、SMにも興味がない(笑)からすることがなくて。縛り師の雪村さんには大変お世話になりました。AV監督もしている氏からドラマの撮り方を教えてもらう。いやー、勉強になったな。この歳で教えてもらえることがあって嬉しかった。


レースクィーンの撮影会というシーンで、このホームページで募集したエキストラが5、6人来てくれる。わざわざ来てもらったんだから少しはスケベなシーンでも見せてあげたかったのだが、それも今回は出来ずに彼らには申し訳なかった。逆にお礼のメールまでいただいて気が引けてしまう。これからはこういう撮影では募集しないと心に誓う。

女の子は遠野みずほという娘。やる気のなさそうな所が魅力的で面白かった。


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