「猥褻モデル 

本城小百合」
アリスJapan  10月8,9日


撮影前の打ち合わせから様子が違っていたのだと思う。ただ彼女と会うのは初めてだったので、その違いに気づいたのは撮影後であったのだが。打ち合わせからプライベートなことをよく喋った。親との確執、彼氏との別れの予感等々。今から考えると「お願いだから、私のプライベートなテーマの作品にしてほしい」と主張していたのだと思う。結局わたしは彼女の希望通りの企画を撮った。実際それは私にとっても魅力ある企画であった。彼女はこの撮影で本城小百合の墓標を建てようとしていたのだから。


撮影は3Pセックスから始めた。「人間バイアグラ」という異名を持つ小百合だけに男たちを相手に積極的なSEXをする。「中で出して」とか甘えて男優の戸惑った顔を見て喜んだりしている。
次は小百合の部屋という設定で彼氏とのプライベートSEXの再現。「人間バイアグラ」とは違うラブラブのHを見せてくれる。しかし実際のプライベートHは全くラブラブではないらしい。金だけ巻き上げながらもAVの仕事を嫌い、暴力もふるうという彼氏。そういう関係を裁ち切りたいという。自分に自信がなく、他人に嫌われたくない為、期待以上の自分を演じてしまい疲れ果ててしまう。そういう自分への嫌悪、自分もこれから変えたいという。本城小百合という淫乱でサービス精神旺盛なキャラにも限界が見えてきたので、そろそろ小休止を入れたい。そういう自分の全てをさらけ出して、この撮影に臨んでいる。彼女の御指名の男優にそういう諸々の話(相談)をする。全てぶちまけられてもこちらとしては何もしてあげられない。彼女が自分で変わらなければ。でも全てさらけ出せてホッとしていました。彼女にとって今回の撮影はそのためだったみたいだから。その後のSEXが面白かった。人前でSEXすることに半端じゃなく恥ずかしがる。昨日は「人間バイアグラ」として男たちをタジタジにさせていたのに。初めて人前でするような感じだという。セックスらしいSEXだった。正直いって、今までビデオのSEXで感じたことはなかったと彼女。自分が楽しむ前に人にサービスしてばかりいたからなのかもしれない。終わってから彼女は泣き出し(それも大泣き)、もうボロボロになる。
ようやくおさまってから彼女にこれからのことを聞く。今まで別れられなかった彼氏とは別れ、AVの仕事ももうこれで辞めると。彼女の中では最初から出ていた結論のようであった。自分独りでは心細く、背中を押してくれる人が欲しかったのでしょう。我々は「勇気だせよ」と励ます応援者だった訳である(笑)。いい作品が撮れたと実感したが、その後すぐ彼女に撮らされたことに気づいた。


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