「Last Scene Yuri Komuro」

6/7,8,9 アリスJapan

監督/平野勝之


小室友里がAVを引退することになり、ファイナルビデオは彼女自身がプロデュースすることになった。で、彼女から監督として指名がかかったのが平野勝之だった。監督冥利に尽きることである。「聖☆痴女 小室友里」など平野作品をかわれてのことである。

平野監督なので当然普通の引退ビデオになるはずもない。友里が一時付き合っていた男優・加藤鷹平本一穂の役を私(高槻)とカンパニー松尾が演じるというバカバカしさ(笑)。私にはわざわざ加藤鷹本人から借りてきたスーツを着せられ、ロン毛のカツラをかぶせられる始末。内容・ロケーションは友里のデビュー作の「お嬢さま/美少女本番物」のストーリーをそのままオマージュとしてパクる。最後に平野監督お得意の花火噴射(「水戸拷悶」)を友里に浴びせかけて、それまでのお嬢さま路線を暴力的にぶっ壊す。

一転してストリップのドキュメントになる。友里がファイナルビデオとしてやりたいことが一つだけあった。それは最初で最後のストリップ。ストリップの話はいくつもあったが全て断ってきたという。今回彼女がこだわったのはファンを集めて最後のメッセージを直接伝えるためにストリップをしたいということだった。

作品としてはばかばかしい(マンガのような)ドラマあり(でもタッチは市川昆みたいだったり)、暴力的映像あり、ドキュメントありと平野監督の集大成的な色合いの強い作品となった。


今回の撮影の日程はウチも彼女も超忙しいスケジュールの中での撮影であった。友里プロデューサーはスケジュールの変更を聞いてくれなかった。6月9日までに小室友里を終わらせなければならないと言う。それは翌日の10日が彼氏の誕生日だったからであった。


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