「舞い降りたエンジェル」

アリスJapan  11月17,18日


初めにお断りしておきますが、この作品に出ている藤原あやちゃんという女の子の顔をここではお見せできません。パブリNGだからです。この日記自体もできたら載せないでほしいとのプロダクションの意向でしたが特別にお願いして公開いたします。彼女の顔を観たい方はビデオで確認してください。


 とうとう飛びました。以前からやりたかったスカイダイビングです。藤原あやという女の子の撮影です。趣味なら仕事ではなく個人的にやればいいのにと思うかもしれませんが、友達がいなかったのです、一緒に飛んでくれる。今回スカイダイビングをした理由は、はっきりは書けませんが、あやちゃんを描く中でいろいろ制約があり「これじゃちょっと撮りづらい」という状況だったため、「では自分のやりたいことをやらせてほしい」とお願いをして実現しました。(誤解しないで下さい。あやちゃんは文句一つ言わずに仕事をする娘で、性悪とかで制約があるためではありません。)

 今回のスカイダイビングはタンデム(親亀の上に子亀が乗ったような、インストラクターとくっついた)ではなく単独で飛ぶやつです。もし落下中に気絶したら・パラシュートが開かなかったら、などの心配がありますから、開くまでは二人のインストラクターが脇から支えてくれます。でもパラシュートは一人で楽しめるのです。ですから危険と紙一重です。とは言っても、気絶した場合でも自動でもう一つのパラシュートが開くことになっていますから大丈夫なんですけど、おそらく。飛ぶのは私とあやちゃんと男優の平本君の三人です。

 あやちゃんは人をよく動物に例えるそうで、前の監督は「虫」だったそうです。撮影終了後にその監督は「人間」に格上げになったそうで、私は「蟻」で、平本君は「狸」だって(笑)。内容はダイビングのドキュメントだけでは面白くないので、「お姫様と森の動物達」という設定のドラマを交えながら構成することにした。ラストはそれぞれの着ぐるみを着た私と平本君が「お姫様!」と叫びながら3千メートルの上空から飛び降りるのである(笑)。

 飛ぶ手順のトレーニングを受けていざジャンプ。セスナは6人乗りと狭いため三人一度に飛ぶことはできない。(飛ぶ人が一人、インストラクター二人、エアーカメラマン一人、こちらのカメラマン一人) まずは平本君から。飛ぶ寸前に扉を開けると落っこちそうでもの凄く恐くなる。意を結して「お姫様〜」と落っこちていきました。ジャンプはトレーニングの通り基本に忠実に自分でパラシュートを開いて見事でした。次はあやちゃん。トレーニングで声が出ないので正直不安でしたが、やはり基本に忠実に綺麗に飛んでました。最後は私。二人が落っこちるのを目の当たりにして恐怖感がヒシヒシ。扉が開き飛ぶ体勢になった時、恐くて恐くてどうしようもなくなる。「もうどうなってもいいや」と「お姫様〜」を振り絞りジャンプ。地面と空が交互に見える。俺は回転してるんだと思った瞬間に頭の中が真っ白になる。そういえば俺の体を支えてくれるはずのインストラクターがいない。もしかしたら俺は死んじゃうのかなぁ、高度計を見るとパラシュートを引かなければならない高度だ。どうしよう・・という時にどこからともなくインストラクターが飛んできて(これホント!)俺のパラシュートを引いてくれた! 助かった! 後でビデオを見ると空で回転している俺は蟻のようであった。

 この撮影には秘かに裏のテーマがあった。「蟻」で始まった俺の印象は二日間の撮影終了後に何になっているか、前作の監督のように「人間」に格上げされるかどうか。彼女から見た俺との距離感を聞くのを楽しみにしていたのだ。で、俺は? 「監督はやっぱり蟻」だって(笑)。同じじゃないと言うと「違うの、前は単にちっぽけで踏んづけちゃいそうな感じだったけど、現在は働く蟻」だって(笑)。「蟻」には違いはないのでした。


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