8月4、5日 バビロン
監督・平野 勝之
蝉が殻を脱ごうと木を登るのを初めて見た。夜の公園である。痴女の撮影でプロの痴漢のオヤジたちとの乱交を撮っていた。
この痴女シリーズも三本目である。その中でもこれがおそらく一番いいだろう。若菜瀬名がとにかく良かった。もうだいぶAVの仕事をしてるらしい。が、最近は単体の撮影に飽きてるという。フツーではない撮影の方が楽しいんだと。監督は平野勝之だからフツーの訳がない。
まずは小室友里も驚いたプロの痴漢たち。AV男優に慣れている女優たちはその顔ややることにビビってしまう。が、若菜は違った。例えば電車内での痴漢シーン。普通、女の子は他の乗客の目を気にする。見られたくないのが本音だから。乗り合わせた乗客だって、いかがわしい撮影隊が堂々と撮影してたらイヤな気分になるでしょ。俺だったら頭に来るね。公共の場なんだから。だからこそ「こっそりと撮影してますよ」と言わんばかりに新聞紙を大きく開いて女の子のためにも、乗客のためにも撮影の「目隠し」をする。若菜はその状況を楽しんでた。なんかもう舞い上がっちゃって「その(大きく広げた)新聞うける」と爆笑してやんの。痴漢に車内でヤラれるシーンも嬉々としている。瀬名ちゃんの笑い声がよく聞こえてこっちが恥ずかしかった。
次は痴女。男優など使わず、ホントの乗客を狙おうと平野監督。つまり車内の乗客に瀬名ちゃんが忍び寄り、痴女をしちゃうというドキュメント。カメラは遠くから狙うので、彼女と痴女仲間の神尾まゆみの二人だけで動くことになる。ノッてくれる乗客だったらいいけど、驚かれて怒られないうちに退散、みたいなノリになるのではないかとスタッフは不安であった。が、彼女はこの状況でもノッた。当然初めはうまくいかなかったが途中からは積極的に好みの獲物を探しては、触った。瀬名は「恐い物知らず」と、痴漢のボス「痴漢日記」の著者・山本さむさん。まさしくその通り。
そして最後が夜の公園となる。ベンチで他の本物のカップルに混じって瀬名ちゃんと痴漢のオヤジたちの野外SEX。自ら楽しもうとする瀬名ちゃんに監督も久しぶりの「共犯者」と感じたのではないだろうか。撮影後、次の企画で盛り上がる。下水道に入ろうだとか、どこかの国の原住民とヤリたいとか、もう勝手に言ってろ! こっちの苦労も知らないで(笑)。
ちなみに木に登れない殻の蝉がたくさん地面にはいつくばっていた。痴漢のボス・山本さんは「あと一週間しか生きれないんだから」と拾っては木に乗せてあげていた。蝉には優しいんだ、無断で女性には触るくせに(笑)。