「プライバシー 遠野小春」

01/07/12 アトラス21


もう12本目になるという小春。私は初仕事である。打ち合わせのときに「今までドラマ作品ばかりだった。ドキュメントは気が進まない」と言われ、でも私に託されたテーマは彼女のプライバシーを撮ること。どうしようかと思った。ビデオの仕事について語ることに抵抗があるらしい。
打ち合わせをすすめるうちに「雑誌のインタビューと思えば気が楽になる」と納得してくれたのか諦めたのか分からんが「ドキュメントOKよ」となる。かなりの気分屋かもしれん。


夏ということもあり、キャンプに行くことにした。キャンプの開放的な気分の中でいろいろ語ってもらう。
それにイメージドラマをWせる。高校時代の恋の思い出、現在(大学生)の野外でのH、それにドキュメントとしてプライベートの彼女に迫るという内容。

小春はどこにでもいる普通の学生。有名AV女優らしくない。隣の妹みたいな感じ。打ち合わせの時の神経質さは微塵もなく開放的な気分の中で撮影がすすむ。

今回一番撮りたかったのは男優・平本一穂とのドキュメントパート。平本クンは小春は最近のAV女優で一番のお気に入りという。仕事の時はプライベート的なHができ「これはゲット出来たかな」と思わせるが、撮影が終わると毎回スッと身を引いてしまう。簡単に落ちない所が思わず追いかけたくなるのだという。小春はそれを計算するタイプではない。逆に計算できないタイプだ。それが「地」なのだ。今回は平本クンにそんな小春を口説いてもらう。彼女は仕事だから安心して普段のセックスを演じているらしい。あくまでも「仕事」だからという。そんな小春がどこまでプライベートな自分をさらけ出してセックス出来たかは観てのお楽しみとして、そんなテーマが私には途中からどうでもよくなっていた。小春がとても可愛らしく思えてくる。おそらく私だけではないだろう。ほとんどのスタッフもそう感じていたのではないだろうか。撮影が終わる頃にはみんなが小春を好きになっていた。それが小春の魅力である。


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