99/11/20 DYK
レディースマガジン「綺麗」のビデオを撮った。(DYN「艶姫たちの肉宴」) 名物コーナー「えっちっちパーティー」(男優と応募女性合計6人の乱交/相変わらず女性向けエロ本の内容は凄いよね)に応募してきた女性読者をビデオ用に集めてもらって、その再現である。
「綺麗」のAV撮影はこれが初めてではなく、前にも女の子を紹介してもらったことがあった。その時のことを言われた。「高槻さんに撮ってもらうと普通のAVになってしまう。綺麗の時にはもっといい表情があるのにとても残念だ。監督としての主張みたいなものが強すぎるのではないか。私(編集長は編集部で唯一の男性)はなるべく透明人間になろうとして、男の影みたいなものを消している。それでようやく女の子が活き活きとしてくる」 AV監督が撮っているのだから普通のAVになってしまうのは当たり前だとは思ったが、「高槻さんはようやく自分を理解してくれる人だと思っていたのに残念だ」みたいなことを言われ、ちょっと悔しくなり「透明人間」になってみよう、その後に何が見えてくるか挑戦してみようじゃないか、と企画がスタートした。
撮影の進行は綺麗の女性スタッフに仕切ってもらって、俺は現場で出演者と何もコミュニケーションしないようにした。出演者たちは女性スタッフと好きなことを言い合い、やりまくった。撮影の終盤、一人の出演者(それも一番可愛い女の子)から熱い視線を感じる。「監督さんって好きなタイプ」とか言われる。そんなことを言われ慣れていない俺は戸惑ってしまう。後で聞いたら彼女はおじさん好きだったらしいのだが、こういう雰囲気は昔俺が男優としてアテナ映像・代々木忠の撮影に行っていた時に似ていた。代々木組でも女の子が男優のことを好きになったりするのを許す(解放感のある)雰囲気があった。おそらく編集長はこういうことを言ってたんだと後から納得した。確かにAVは男のための商品であるので自分の楽園は考えるが、女(出演者)の楽園まではあまり考えない。作品のテーマのためにはエロを捨てることもある。女の気持ち主体に作品をあまり考えたりしなかった。だってやるだけビデオになってしまうし、作品として面白みがないと考えていた。それでいながら昔から代々木作品の世界に憧れたり、目指して何度も失敗を繰り返していた。現在は自分の方法論も確立し、それを今から否定するつもりはないし、する必要もないが、もう一つの大きな引き出しの一つとして育てていきたいと思う。自己主張もいいが、女の子によっては思い切り引くことも大切なんだと改めて再認識した次第。その撮影後、女の子への接し方を意識して少しづつ変えている。