「愛しの美人モデル in カリフォルニア」

V&R(ノアスペシャル) 5/28〜6/4, 7/1


 AV監督という職業のパワーの源はコンプレックスの克服にあるのではないか、と思う。他の人のことは知らない。が自分はそうである。例えば巨乳女とSEXしたくてもしたことがなかったら(自らは絡まなくても)撮影の中でその体験をし、実際にSMができる女がいなかったらAVギャルで代用したりと。昔から外人(金髪白人)は好きだった。テレビ東京が東京12CHと言っていた頃、「金曜スペシャル」という番組があった。そこでヌーディスト村潜入!なんていう番組をこっそり観ていたり、外国版プレイボーイのプレイメイト年鑑を買ったりと、俺の性の原点の一つは金髪外人にあるのかもしれない。アノ悩ましいスタイルで積極的に迫られたら・・・なんて空想していた記憶がある。今回「愛しの美人モデルinカリフォルニア」を撮ることになったのは私のホームページに載せた募集告知で応募してきた女性たちがいたためであった。


 初めに告知を出したのは2年前になる。プロの女優ではなく素人外人女性を撮りたい、ダメ元という気軽さだった。ポツリポツリと応募が来たのが去年の春前。応募女性はなぜかアメリカのみで4,5人だった。カップルでの応募も多く、半数近くがそうであった。病気を考えてのことなんでしょう。が倫理的に男優とは絡みたくないという人も少なくなかった。「よく考えるとナイーブになってきました。相手は彼氏でもいいですか?」というメールには「それでもOK」と答えるしかなかった。SEXを大らかにエンジョイしているアメリカ人というイメージはメールのやり取りの中で消え去る。SEXに関しては我々の方がはるかに弛んでいると思う。本番OKの女の子が毎日何十人と生まれる土壌なんですから。昔見たTVや雑誌の「性大陸アメリカ」は一部を拡大した幻想だったんでしょう。エロとは幻想の産物ですから、別にいいんですけど。

話を応募者に戻すとロサンゼルス在住が一番多くて2,3人、フロリダが夫婦一組(奥さんが日本人!)で、アトランタに一番可愛いステファニーがいた。Eメールで送ってもらったステファニーの写真を見て一目惚れ。彼女と何度もメールのやりとりをしていくうちに情も出てきて(交換日記と同じで、メールのやり取りは情を育むでしょ)、「ステファニーに会いに行く旅」と決めると自然に内容も決まった。アメリカを車一台で放浪するというもの。ロサンゼルスからスタートして最後がアトランタ。彼女らと知り合ったのがインターネットだったので、途中途中でネットで「宿」を募集しながら進む。行く先々で私のホームページにアクセスして「我々は今ロスにいます。我々を泊めてくれるボランティアがいましたらメール下さい」と募集告知を載せ、そこで応答してきた人たちとのコミュニケーションも含めてドキュメントする。ロマンスと大陸横断をリンクさせた企画である。ワクワクしてきた。が、撮影のスケジュールを決める段になって返信メールが一人減り二人減り・・・結局一人もいなくなった。おそらく私とのメールのやり取りで彼女らは自己完結してしまったのでしょう。

 アメリカに行ったのはその一年後、今年の5月である。懲りずに募集告知を出し続けていたところやはりポツポツと応募があり、最終的に残ったのはロス在住の夫婦(奥さんは可愛いベトナム人)とロスから南に200kmのサンディエゴのやはり夫婦(どちらの奥さんも26歳)であった。なぜか人妻ばっか。日本の人妻はご主人には内緒のビデオ出演だが、アメリカの人妻はご主人と一緒。アメリカの方が健康的かもしれない。今回の目玉はサンディエゴのクロームという人妻。いい女(金髪)で電話の声も可愛くスケベさも一番。「二穴同時挿入OKよ」なんて言ってる。今回、ロス近辺だけなので放浪というテーマはやめ、こじんまりとやることにした。スタッフは男優兼コーディネイターのシノPとAD・大久保。シノPにした理由は、最後まで出る出ないともつれ込んだテネシー州の夫婦対策であった。初め応募は奥さんからのようであったが、メールを重ねる中で「male&male shot ok?」と訊ねてきた。奥さんのフリをした旦那だったのだ。すなわち男同士の絡み(ホモ)である。これは面白いと思った。わざわざテネシー(ロスから飛行機で8時間)まで行って撮るのはホモ(笑)。適任者はシノPしかいなかった。彼の趣味はニューハーフ、時々はケツの穴もOKョという人だから。結局は本物の奥さんから「もう二度と連絡してこないで」と断られてオシマイ。


(ここからはADの大久保から見た撮影についてです。)

まずロサンゼルス空港で監督と男優の篠原さんの紹介カットからです。監督は「今回は俺が主役なので、シノPは男優に徹して」と注意していました。今回撮影する女の子は監督がインターネットを使ってナンパした素人二人ということらしいです。まあ僕にとってはどうでもいいことなんですけど。モーテルで僕は監督と一緒の部屋になりました。パソコンを見せてもらったのですが、今回の応募者以外にも他の国の女の子から問い合わせがきていて、メールのやりとりだけで盛り上がっている人もいるそうです。中でも監督と相互にオナニーをし合っている(テレホンSEXならぬメールSEX・笑)ロンドンの巨乳の黒人というのが凄くて、「あなたのコックを見たい。写真を送ってくれ」だって(笑)。監督も悪ノリして「オナニー写真を送るから撮れ」だって。それも「でっかく見せたいから、なるべく近くからマクロで」なんて言ってる。仕方ないからやりましたよ。男のチンコをあんな間近で見たのは初めてです。これから僕はどうなるのでしょうか。正直いって不安です。

翌日は車で2時間くらいのノッツベリーファームという遊園地に行きました。一人目の女の子(ベトナム人)との約束の場所です。が、待てどくらせど女の子は来ない! はるばるアメリカまで来てスッポカシ。なんか壮大なテレクラの待ち合わせみたい(笑)。さすがに監督は落ち込んでいました。早速次の女の子に会いに200キロ南のサンディエゴへ。今回の一番のお目当てだそうです。彼女の家で撮影するそうで、本当に大丈夫ですかね。またスッポカシされたりして。その日は彼女の家までたどり着けず、途中の街に泊まる。翌日、番地を探し当てクロームに会えました。金髪の可愛い人です。ご主人も公認で一緒に出演してくれるそうです。スワッパーなので奥さんが他の男とSEXしても問題ないそうです。僕にはよく分からない世界です。篠原さんとのカラミ後、ご主人の提案で野外プレイに行く。趣味の人たちなので積極的なんです。最後は家に戻って二穴同時挿入です。アナルは使わず膣に二本のペニスを同時に挿入するんだって! 凄い夫婦です。篠原さんは複数プレイが苦手らしく立ちません。ニューハーフのチンポはOKなのに変な人です。仕方なく監督が挑戦します。普段だったら絶対に立たないはずの監督ですが、今回は見事に二穴同時挿入をしています。「素人の外人とやれるという興奮がすべてに勝っていた。メールのやりとりで情がお互いに出ていたし」とのこと。篠原さんには男優として徹しさせていたのがよくわかりました。自分がいい想いをしたかったみたいです。

(ここからは再び高槻自身)

 応募素人は一人しか撮れなかったので、ロスでシノPにコーディネイトしてもらって、アミア・アモーレというプロの女優を急遽撮る。いやらしいスタイル、積極的で悩ましくて、USAポルノに対してずっと私の抱いていた幻想を感じさせる人だった。彼女の家まで迎えに行ったのだが、シノPと熱くキスしたりと車の中からもうサービス全開。明るくてとてもいい娘なんだが、ここまで全開だとちょっと引いてしまう。

(ここで再び大久保)

篠原さんとのカラミのあいだずっと高槻さんが『いいケツしてるな、チックショー』とぶつぶつ言ってたのが笑えました。昔から白人金髪にコンプレックスがあって、でも現実に白人と接する機会なんて死んでもなくて、ようやく応募される立場になって、その夢を叶えているそうです。人間て昔のことをいつまでも引きずって生きてくものなんですね。なんか哀しくなっちゃいました。


 一ヶ月後の6月末にアメリカからクローム夫妻が来日した。「愛しの美人モデル」のプロモーションのために来てもらったのだ。一週間のスケジュールにはマスコミへの公開ファックあり、TV出演あり、パッケージ撮影あり、もちろん観光もありというハードなものだった。気を使ったつもりでも至らなかったところがかなりあったと思う。が最後まで文句一つ言わずにプロモーションをこなしてくれた。ほとんど一緒にいたので、最後は友達のような雰囲気になっていた。後日、お礼のメールとともに「日本に移住したい、なにかモデルの仕事はあるか」と聞いてきたのにはビックリしたし、とても嬉しかった。自分のしたことが彼らに移住を考えさせてしまう程の楽しさだったとは。いや、私がしたのはその架け橋でしかない、彼ら自身が日本を楽しんだ結果がこうなっただけだ。でもそれだけで充分である。これで金髪白人コンプレックスが治ったわけでも、癒されたわけでもない。でも確実に達成感はあった。彼らとは友達としてずっと付き合っていけるでしょう。次は恋人として付き合っていける女の子を探そう(笑)。


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