「にっぽんAV女優伝」
(96/6/7,12,9/9)
(メディアステーション 監督・高槻 彰)
日記を書くのは久しぶりという感じです。8月はビデオの編集ばかりしてました。
で、この作品ですが夏前から始めてやっと撮り終わりました。どうしてこんな長期間に渡ったのかというと、「面
白い女の子」に限定したからです。女の子はそれぞれ色々な理由でAVに出ますが、その背景を聞くとかなり面
白いことがあるんです。
1、臨月の妊婦さん(6/7)
よりによって出産20日くらい前にAVに出たいという人です(初婚の24歳)。普通、妊婦モデルはそれまでAVの仕事を色々してきて既に慣れた人に多いんだけど、この人の場合はこの時期に自ら応募してきました。「妊娠姿を記念に残しておきたい」「旦那は妊娠したお腹を見て綺麗と言ってくれない」とか。
撮影中にもし流産したら・・と言っても「医者がまだ大丈夫って言ってるから」(ホンマかいな)とその熱意は変わりません。いかにもお水っぽい娘ならともかく、ごくごく普通
の女の子なのでこれには人に言えない何かがあるのではないか、それを探り出してみよう、というのが私がやる気になった理由でした。
ということで「金の鯱(しゃちほこ)体位」で有名な(?)男優、ミッキー柳井を呼んできました。金の鯱(しゃちほこ)とは詳しい説明は省きますが、とにかくお腹に負担のかかる体位
です。そんな体位妊婦に出来るわけがないけど、独りよがりの私のテーマ(ホントの出演動機を探る)だけでは、ちょっと重すぎると思ったからでした。
私は彼女の出演動機は実はお金の為で(別にそれでもいいんだけど)、素直にそう言えない何かがあるのでは、と踏んでいました。けど、蓋を開けても何も出てきません。ホントに彼女の云うとおりこの時期だからこそ出演したかったみたいです。私の目論見ははずれましたが、逆に「よりによってこんな時期に」出演を希望する人がいるんだ、という現実
を知り、その多様性を確認した次第。
2、800人斬りの19歳(6/12)
最近、雑誌等で有名な真純マコです。中学一年生の入学式の日に担任の先生にお願いして処女を奪ってもらった、というヤリマンです。それ以降、その中学の先生や用務員のオジサンたちと次々ヤリまくったという「経歴」を持つ娘です。AVはなるべくしてなったと。
彼女得意の逆ナンパをしてもらいました。私は今までかなり逆ナンパを撮ってきましたが
今回が一番面白かった。というのも、たまたま声をかけた男の人が大人のオモチャ屋で、店じまいまでして大勢で来てくれたので、そのシーンはかなり笑えると思います。
3、池上恵美(9/9)
最後は有名な恵美ちゃんです。彼女は小学校一年から中学三年までずっといじめられてきたというのです。その理由は「家がボロかったから」。家が古いだけで9年間もいじめるか?、他に何かあるんじゃないのか?というのが、撮ろうと思った理由です。
さっきの妊婦さんみたいに何か人に言えない隠し事をしているのでは、それを探ってやれと。
いろいろ聞いたり調べたりしましたが、何も出てきません。男優の加藤鷹に催眠術をかけてもらいました。小学生に退行させると顔つきが変わってきます。もう誰も信用しないっていう顔です。(そもそも彼女の両親は本当の親ではないそうで、生まれたばかりの子供を子供の出来ない親戚
にあげた、というのです。彼女としては自分がモノのように扱われたことに今でもやるせない気持ちを持っていて、その辺からも自閉的になってしまっていたみたいです。)
催眠中の彼女に自発性を持たせる暗示をかけ、それを解くと正気に戻った彼女は泣き出しました。
彼女はAVの仕事をしてから自分が変わったといいます。確かに昔イジメられっ子だったという面
影は全然ないくらい明るいのです。「この仕事は人はどう見るか知らないけど、ずっと続けたい」「AVのお陰で今の私がいる」と。
ここでも私の期待した「何か」は出てきませんでした。ただ、催眠術をかけた時や小学校の卒業アルバムの彼女の顔にもしかするとその全てが写っているのかもしれません。
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