「SEX MANIA」

 RAIDEN 01/09/05


日本各地のセックス中毒の女を撮る企画です。そもそもは鹿児島から来た応募のメールから始まりました。『AVにでてみたいのですが、地方でも撮影して頂けるのでしょうか?』というのが、そのメールです。初めて電話で話した時「希望はたくさんの男の人としてみたい。何人で来るんですか。なるべく多い方がいい」とスケベ丸出し。本物のセックス中毒と確信し、すぐメーカーで仕事を決めてしまった。今回の撮影は忙しかった夏休みの代わりみたいなもの。遊んでこようと思う。


1、名古屋の女<8/31>
東京から新幹線で名古屋へ。そこから撮影開始。名古屋のプロダクションに所属しているモデル、梶原真理子。「女が見ている前で大勢の男たちとセックスして、その女より魅力あるのを見せつけたい」というイヤな女。でもそういう女が遊ぶには適度な刺激で良かったりするんだよね。と言いながらもカラミは男優一人とだけ。そこまで言うのなら乱交すればいいのに。なんか勿体つけられているみたいだった。名古屋人はセコイと言うけど本当にセコイ。ホテルの冷蔵庫を漁って帰って行きました。撮影後スタッフ三人でホテルのプールで遊ぶ。久しぶりに泳いだ。名古屋に行くと必ず寄る味噌煮込みうどんの店とホテルのラウンジで軽く飲む。

2、京都の女<9/1>
昼前には新幹線で京都へ。駅で待ち合わせたモデル・森下千里は写真より可愛かった。彼女も東京のプロダクションに所属している。最近は地方の娘からの応募がたくさんあるのです。応募の動機は「なんとなく」。まずは男優とのカラミ。その後に嫌がるADにハメ撮りをさせる。横山というそのADは、映画畑の男で実はAV嫌い、さらにセックスに多大なコンプレックスがある。なぜAVの仕事をしているのかよく分からない横山はスケベ心のかけらもない。卑しさのない所が気に入って使っているのだが、セックスさせたらどうなるんだろうと常々思っていた。二時間くらい長々と二人きりにさせていたら、千里ちゃんに惚れてしまったらしい。AV女優が苦手な横山にそんなことは初めてだった。千里は疲れ切った表情。二人が上手くいくとも思えない。横山には悪いが彼の“参加”で作品に味が出てきた。明日は京都を経って広島に行く。

3、広島の女<9/2>
京都の夜は当然何事もなかった。静岡以西には行ったことがないという横山をどこか京都風情のある所に連れていってやりたかったが、ハメ撮りが終わった時間はかなり遅く、駅地下のわびしい居酒屋で食事をしただけだった。
広島に向かう新幹線の中で一人妙な気分を味わっていた。4,5年ぶりの女の子と会うのだ。その娘は「爆淫都市」という撮影の時、博多でナンパした女の子だった。今回鹿児島行きが決まって、久しぶりに連絡したら気持ちよくOKしてくれた。現在は結婚して子供もいるらしい。変わっているだろうなと思う。が、こちらもそのぶん歳をとった訳だから、どう見られるかちょっと複雑な気分でもある。
久しぶりに会ったら「凄く痩せた。全然わからんかった。どこか悪いの」と言われる。最近は(なるべく)菜食ばかりで動物性の物はとっていないので太りたくても太れない。もしかしたらどこか悪いのかもしれんが。
そういう彼女は少し肉付きがよくなり奥さんの色香が出ていた。
原爆ドームでインタビューを撮った後、地元で一番うまい広島風お好み焼きの店に連れていってもらう。お好み焼きは確かにうまかったが、店で飼っている犬が最高だった。ちょうど発情期でぬいぐるみ相手に腰を振り続けるのをおじちゃん・おばちゃんが照れもせず「パイプカットした方がええなぁ」「どう兄ちゃんも、こんな激しいか」なんて呑気さが楽しかった。
奥さんになった彼女のセックスは以前とあまり変わりない。セックスが好きなのか、あまり好きではないのかよく分からない所も以前と同じだった。人柄も良く、いくつになってもいつもニコニコしているんだろうな、また機会があれば会ってみたいと思う。

4、博多の女<9/3>
博多に向かう新幹線で瀬戸内海を初めて見る横山の目が輝いていた。「仕事という意識が段々なくなってきてプライベート旅行みたいな気分」と京都の千里ちゃんが気になっているようだった。
本来この日はお休みの日、別府温泉にでも行こうと思っていた。が、ここまで男優のいちはらカズの存在感が薄いと思った私は彼に得意のナンパをさせようと思いたった。“薄い”といっても普通に男優としてのカラミを演じてくれているのだが、横山がプライベートなノリになってきている分お仕事のカズの存在感が弱くなってきているのだった。
博多の中洲の(Canal City)でナンパすること2時間。ちょい太めの巨乳の娘をゲットする。さすがナンパの帝王。けど自分でナンパしたくせに、気に入らなかったのかアッという間にカラミを終わらせ旅行二度目のプールに行く。中洲の屋台でちょっと飲む。横山の気分が良さそうだった。

5、鹿児島の女<9/4>
鹿児島本線でいよいよ最終目的地へ。横山はぼんやり有明海を眺め、私は楽しかった夏休みの想い出に浸り、カズは鹿児島の女の特徴を自慢げに話す。あちこちナンパ撮影旅行しているので女の地域性的特徴に詳しいのだ。ちなみに鹿児島の女は1.何でもはっきり言う 2.情が深い 3.陰毛が濃い、という。
待ち合わせに来た女の子は普通の娘だった。脱がすと確かに陰毛が濃い・笑。カラミ始めた。桜島の見えるホテルのテラスで羞恥プレイをしたり、彼女ご希望の縛り。段々ノッてくる、はずだった。が、彼女はなにやら笑い出す。理由を聞くと「あまり感じない・・・長さが足りない」という。つまり男優のアソコが短いと(笑)。今まで何百人と撮ってきたけど、そうはっきり言う女は初めてだった。受け狙いでの発言には見えない、本気でセックスを楽しみに来ている女だった。彼女はタイプの横山を誘っていたが、彼は思い切り引いていた。カズの言う通りの鹿児島女だった。でも情が深いかどうかは分からないけど。


全てのスケジュールをこなし、翌日には帰京だ。横山は一人ゆっくり電車で帰るという。約一週間後東京に帰ってきた横山から、京都に寄ってきたことを聞いた。好きだと告白しに千里ちゃんに会いにいったというのだ。一日振り回された挙げ句、彼女の反応は冷たかったらしい。予想していた通りで、あまりショックはないというが、初めて横山のプライベートな部分を見た気がした。この作品は横山に編集してもらうことにした。おそらく彼の編集作品(私の監督作で彼が編集した作品、いくつかある)の中で一番の出来になっている。


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